ワキガはデリケートな問題です
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ワキガはデリケートな問題であり、場合によっては深刻な問題です。臭いに悩み、ふさぎ込んでしまったり、誰にも相談できず、家から出れなくなった・・という例もあります。しかし、ワキガとよばれる臭いには原因があり、臭いを抑える方法もあります。また、ワキガはただ臭うわけではなく、異性を引き付けるフェロモンとも関係があります。ですから、まず一人で悩まず、自身にあったケア方法を知りましょう。
ワキガのメカニズム

ワキガってなに?
ワキに汗をかくことは誰にも起こる生理現象です。暑い時や、体が緊張してしまった時など、ワキに汗をかいてしまうことはあたりまえに起こります。しかし、ワキから強い刺激臭が出ている場合、これはワキガと呼ばれます。ワキガは汗っかきの男性に多いイメージですが、10代の若い男性、そして女性にもワキガの方は多いといわれており、主に思春期から始まります。
ワキガと汗の関係
ワキガの原因としてよく上げられるのが汗です。人間には汗を出す器官が2つ存在します。エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。この2があるから臭いのではありません。むしろ無い人間は存在しません。誰にでも存在する器官です。ではなぜ臭くなるのか?くわしく紹介してきます。
エクリン汗腺
エクリン汗腺は体中のどこにでも存在する器官で、むしろ無い箇所を探す方が難しいとされています。その数およそ200万から500万といわれ、唯一無い場所として爪で隠れている所や外耳道(がいじどうと呼ばれる鼓膜へ続く管状の器官)です。特徴は皮膚の表面に存在し、主に体温調節のための役割があり、エクリン汗腺から出る汗は無色透明、無臭です。
アポクリン汗腺
一方アポクリン汗腺は限られた箇所に存在し、その多くがワキの下に集中しています。エクリン汗腺同様、誰にでも存在しますが、数に個人差があります。人種、性別問わず多い人もいれば、少ない人もいます。アポクリン汗腺の特徴として、毛根に存在し、色は乳白色、主にタンパク質や脂質といった人間の体臭の元となる成分を多く含んでいますが、アポクリン汗腺自体に臭いの原因はありません。
https://www.kao.co.jp/8×4/lab/article03/
アポクリン汗腺は臭いの体臭の元といわれていますが、語源的には異性や仲間に示すフェロモンの働きをします。よって体臭がキツい人はフェロモンが多く分泌されているということであり、魅力的ということになります。
合わせて知ってほしい汗にかかわる記事→足の臭いの原因は靴だけじゃない!?9割改善できる足のケアを紹介
ワキガの原因
上記でもありましたが、ワキガは汗が原因で臭っているということではありませんが、上記でも紹介したアポクリン汗腺が関係しています。アポクリン汗腺から発汗する汗は無臭ですが、体質の原因となる脂質やタンパク質などを含んでいるため、肌に存在する常用菌(人の体に常に存在する細菌)と混ざることによってワキガ特有の刺激臭になります。
ワキガの臭いが強くなる。または拡散する要因
アポクリン汗腺から発汗する汗と常用菌が混ざることでワキガ独特の臭いになりますが、体温調節のためのエクリン汗腺から出た汗と混ざることによって、ワキガの臭いは人に伝わるほど強くなります。それはワキガの臭いの物質とエクリン汗腺からでたサラサラの汗が一緒に蒸発し、拡散するためといわれています。
ワキガの種類
ワキガの臭いが発する箇所(アポクリン汗腺が存在する箇所)として、わきから臭うワキガ、乳輪付近から臭うチチガ、下腹部から臭うスソガ(スソワキガ)などがあり、いずれも原因はワキガと同じでアポクリン汗腺から出る汗と雑菌が混ざってできる臭いの物質が主な原因です。
ワキガってどんな人がなるの?
ワキガは病気ではなく、体質です

ワキガは病気ではなく、体質です。そのため、ある日突然ワキガになった、またはワキガの人と接したためワキガになった、ということはありません。その理由として、アポクリン汗腺の数が人によって決まっているため、アポクリン汗腺が少ない体質の人が急に多くなったということは基本ありません。元々多い人は遺伝によるものが多いため、結果ワキガも遺伝によるものが多いといわれています。
ワキガと思春期の関係
ワキガや体臭は小学校高学年から高校生のいわゆる思春期の時期に気になりはじめ、そして臭いも出てきます。その理由としては、思春期時期のホルモンバランスに変化が起こり、その変化がアポクリン汗腺を刺激し、汗の量が増える可能性があるからです。汗の量が増えると、雑菌の量も増えます。よって体臭やワキガの原因となっていきます。精神的にも不安定な時期となりますので、一人で悩まず、相談しましょう。
ワキガってどんな臭いがするの?

ワキガ臭いといってもどんな臭いなのかわかりますか?上記でもさらっと書きましたが強い刺激臭がするという表記だけではわかりにくく、思春期を迎える微妙な時期の方は自身がワキガなのかどうかが分からない場合が多く、体臭の臭いなのか、ワキガの臭いなのか区別がつかないこともあります。ここではワキガの臭いについて紹介いきます。
ワキガの臭いには種類がある!?
一般的にワキガの臭いについては下記のような臭いに分類されるといわれています。
- 鉛筆の芯またはブルーシートのような鉄臭
- カレーのスパイスのような刺激臭
- 生乾きの洗濯物のようなカビ臭
- 鼻をつく濃い酢のような酸臭
いずれも個人によって感じる臭いの差はありますが、その他にも腐った玉ねぎのような臭いや牛乳のような臭いといったこともいわれています。もっと詳しく知りたい方は→男のにおい総研様参照。
もし上記のような臭いと感じた場合はワキガの可能性を疑いましょう。ただし、パニックになることなく、落ち着いて下さい。すぐに手術と言わず、すぐにできる改善からはじめましょう。
ワキガかな?と思ったら
本当にワキガですか?
ワキガかどうか調べることができる一般的なセルフチェック方法を紹介しますが、上記でも上げたとおり、ワキガは体質であり、急にワキガになる人はいません。遺伝によるものが大半であり、ワキガは人にうつったりしません。両親にワキガ体質の方がいない場合、ワキガではなく、体臭ということになります。
ワキガかどうか簡単チェック
一般的にいわれているセルフチェック法を紹介します。下記項目に全てあてはまるからワキガと思わないでください。あくまで一般的な確認方法であり、該当する方で、臭いが気になるという方は医療機関に相談することをおすすめします。
- 両親のどちらかがワキガ
- 耳垢が湿っている
- 汗がついた衣服の箇所が黄ばんでいる
- ワキ毛、ワキ汗が多い
ワキガは遺伝性
いずれも一般的によく見る項目ですが、第一にワキガは遺伝性がとても高いので、両親のどちらかがワキガでない限りはワキガではありません。体臭の問題となっていきます。
耳垢の湿り
また、耳垢の湿りに関しては、ただ湿っているだけでは問題ではなく、茶色く粘り気がある場合は疑った方がいいとされています。これはアポクリン汗腺が関係しています。アポクリン汗腺は外耳道(がいじどう)に存在している為、耳垢に粘度があるといわれています。
衣服の黄ばみ
汗が衣服に接触する場所の黄ばみについては、汗染みとよく勘違いされやすい項目となっており、ワキガの場合はより強い黄ばみ、黄土色に近い色になります。これはいずれもアポクリン汗腺が関係しており、汗に含まれる脂質やタンパク質・鉄分などが衣服に付着するためです。
ワキ毛・ワキ汗が多い
ワキ毛やワキ汗が他の人と比べ多いと感じる方はワキガを意識した方が良いといわれています。それはアポクリン汗腺は粘度があり、単体では蒸発しません。体温調節に作用するエクリン汗腺と混ざることでアポクリン汗腺が蒸発し、強い臭いの物質が空気に拡散します。よってエクリン汗腺が多いと発汗する量も増え、ワキガの可能性があるといわれています。ワキ毛の場合も同様に、アポクリン汗腺の毛根に存在するため、単純に量が多いとワキガの可能性が高いといわれています。
ワキガじゃないけどワキ臭がする
両親がどちらもワキガではないけど、ワキの臭いが気になるという方はワキガではなく、体臭が強いことが考えられます。ワキガは遺伝の要素が強く、汗やワキ毛の手入れなどケアに気をつけなければ臭いが拡散してしまいますが、体臭は主に食生活やストレスといった所から臭いの原因があります。
体臭が強くなる要因
一般的に体臭が強くなる要素は下記5項目です。いずれもアポクリン汗腺が関係しており、脂質・タンパク質などが混ざって発汗することが体臭の主な原因となります。
- 肉の摂取量が多い
- 飲酒・喫煙
- ストレス
- 運動不足(代謝が悪い)
肉を食べる量が多い
肉を多く摂取する方は、動物性たんぱく質や脂質がアポクリン汗腺から発汗する汗と混ざり、体臭が強くなる物質を作ってしまいます。また、肉を炒める際に使用するニンニク・ニニラなどと一緒に摂取してしまうと、血液に循環し、体臭の原因となったり、汗を大量に発汗してしまうことから、体臭の原因といわれています。
飲酒や喫煙
飲酒は過度に摂取してしまうと体臭の原因になってしまうことがあります。アルコールは肝臓内で分解され、アセトアルデヒドという物質になり、肝臓内の働きで酢酸に分解されます。この2つが強い臭いの成分といわれています。よく二日酔いで感じる嫌な臭いの原因です。また、喫煙も体臭を強くする原因といわれており、ニコチンにより汗を発汗させ、雑菌と混ざると体臭の原因になり、また、タバコの嫌な臭いと混ざることで、より体臭が強くなってしまう恐れがあります。
ストレス
ストレスを溜めやすい方はストレスにより汗を発汗してしまい、雑菌と混ざることで体臭の原因といわれています。また、自分はワキガだと思いこみ、精神性発汗により多くの汗を発汗することで、臭いが強い汗を出してしまい、勘違いしてしまうことがあります。臭いが強くなった汗かワキガか、焦らずセルフチェックし、思い込みによる発汗を防ぎましょう。
運動不足

適度に運動をしていないと、体内に溜まっている熱がうまく外に放出されないため、汗をかくために大量の汗を発汗します。さらに体内に溜まっていた老廃物が一気に分泌されてしまい、雑菌が増えやすく、発汗した汗と混ざり体臭の原因となってしまいます。これは内臓脂肪が多い肥満体形の方にもあてはまります。
ワキガとワキ臭は別物
ワキガとワキの汗の臭いについて紹介させていただきました。いずれもデリケートな問題なので悩んでいることとは思いますが、思い悩まないでください。いずれも病気ではありません。仮にワキガだとしても臭いの元を改善するなら病院機関でも手術になりますが、臭いを抑える方法は存在します。そしてワキガでなくともワキの臭いが気になる方は生活習慣を見直すことで臭いにの改善になりますので、出来ることから始めましょう。
ワキガは遺伝性による要素がほとんど
ワキの臭いについてはストレス及び生活習慣から強くなる恐れがある